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水の安全と蒸留水器について
技術アドバイザー
東京大学大学院 新領域創成科学研究科
先端生命科学専攻 細胞応答化学分野教授 宮本 有正(東京大学教員プロフィール)
2012年8月26日
水それ自体の安全性を考えて、蒸留水(安全な水神話の崩壊)
日本においては近年まで、水道水の質が高く、また綺麗な天然水にも恵まれ、水の安全神話が語り継がれてきました。しかし、2011年3月11日に東日本でM9.1の大地震が発生し、瞬く間に大津波がこの地域を来襲し、海岸地域に壊滅的な被害を与えただけでなく多くの方々が亡くなり大震災となりました。阪神淡路大震災の時と大きく違うのは、大地震の後に福島第一原発が冷却装置の電源を全て失い爆発し、放射性物質が飛散してしまったことです。
飛散した放射性物質は、昨年の春分の日(3月21日)の雨で地上に降り注ぎ、福島第一原発を中心に風向きに影響を受けて、広範囲に広がってしまいました。川に落ちた放射性物質の影響で、東北、関東の水道水にも放射性物質が混入し、幼児に飲用できる基準値を超え、大人でも水道水の飲用を躊躇し、この地域の人々はスーパーに殺到し、店からペットボトルの水が無くなってしまったことは記憶に新しい事です。
それ以後、水道水の中の放射性物質が基準値を超えた報告はありませんが、水道水をそのまま飲むことや、調理に使用する危険性を感じている人が増えてきました。
さらなる問題点 天然水は本当に安全なのか?
現在、日本で販売されている、国内生産のペットボトル天然水は、本当に放射性物質が含まれない安全な飲料でしょうか? こんなことを考えなければいけないこと自体が、大変悲しい現実ではあります。このことはペットボトル入りのお茶に関しても言えます。去年の新茶に放射性物質が含まれ、静岡まで出荷停止になっています。
現在、日本政府、文科省、厚労省では、ガンマー線を放出するヨウ素131やセシウム類(134と137)しか話題にしていません。原子力発電の爆発で放射性物質にはセシウム類と供に必ずベーター線を放出するストロンチュウム90が飛散しているはずなのです。ストロンチウム90の汚染範囲に関しては、平成24年7月24日に漸く県あたり一都市での汚染測定値が、文部省から発表されただけです。しかも悪いことには、ストロンチュウムはセシウム類より軽いので、セシウム類より更に広範囲に飛散していることでしょう。ストロンチュウムは骨に集積され、骨髄癌や白血病を発症させることが分かっています。
セシウム137やストロンチュウム90の半減期は長く、約30年です。広範囲に散飛し地上に降り注いでしまった放射性物質からの放射性の放出は、100年経ても概ね1/10にしかなりません。雨が降れば地中に浸透し、地下水や川に移行します。今年の冬に、椎茸などのキノコ類や池や川の淡水魚から高い放射性物質が検出され、食に供することが禁止されました。
放射性物質による天然水の汚染は、世代を超えた課題
今年とれたお茶や農作物にも、根から吸収された放射性物質が残留しているのかが心配です。また、雪解けとともに、放射能物質が、天然の湧き水や川や池への移行することも気がかりです。ですので、我々の特に若者の健康は護るためには、継続して、市販のペットボトルの水やお茶に含まれる、ストロンチュウム90を含めた放射性物質の含量を、モニタリングしていかなければなりません。特に天然水が放射性物質に汚染されるのが何時か予想ができません。
天然水のモニタリングは世代を越えて何百年と継続しなければならなくなってしまいました。
家庭用蒸留水器について
蒸留とは水(液体)を加熱気化し一旦水蒸気(気体)にしてから再度水蒸気を冷却し水に戻して、水に含まれる不純物を取り除き純粋な水を得ることです。蒸留水器とは、この蒸留を行える装置のことです。
欧米、中国などでは水道システムが整備されていますが、水そのものの質が悪く、家庭で水道水を蒸留してから飲料に供するのが現状です。そのため、家庭用の蒸留水器が種々開発され、汎用されてきました。日本ではこれまで、蒸留水器は赤ちゃんのミルクを作る時などに、水道水のカルキを除く目的で使用されてきたに過ぎません。
しかし、蒸留水器を使用すれば水道水中の放射性物質を効率よく除去できます。日本でも家庭用の蒸留水器を求めるニーズが拡大し始め、これから一層の需要が考えられます。
蒸留水器の活用
プラチナナノコロイドの応用商品をつくるに際し、今までは、天然水を使用してきました。例えば、プラチナナノコロイドを含む飲料水などです。しかし、現在、上記東日本大震災により、水の安全性に対しては、神経質になる必要性が出てきました。これからは蒸留水を安全な水として、新しい商品を開発して行きます。
皆様も、一度、家庭用蒸留水器をお試しになり、蒸留後に残る残留物を目にしたとき、我々が推奨している理由がお分かりになると思います。天然水でも残渣物が出るものがあります。
蒸留水器の展望と課題
東京直下型の巨大地震が近い将来高い確率で起こることが専門家によって警告されています。日本という国は幾つかの岩盤プレート破断面がぶつかり合い断層を形成している上にできています。都内にも最近、活断層が新しく見つかりました。ですから、東海、東南海そして南海のどの地域で大地震が起きてもおかしくありません。また、活断層が内陸部には沢山あり、日本は毎日といって良いほど大小の地震が起きています。
更には、日本は毎年台風や豪雨にも襲われる災害大国です。家庭用蒸留水器は、地震を含め天災により避難を余儀なくされた時に、更にその力を発揮します。発電機などで電源さえあれば、汚れた川や池の水からも飲料水を浄化し、被災者に供給できます。
飲める水があることは、人間にとってとても大切なことです。家庭用蒸留水器が日本で必需品として考えられる日が来るのも、そう遠くではないと考えています。
家庭用蒸留水器の製造会社は、主にアメリカ、ドイツ、台湾、中国などに幾つか存在しますが、日本には存在しません。現在日本で売られている蒸留水器は、これらの外国産の平行輸入品が多いようです。まず、正式な輸入販売ルートの構築が緊急な課題です。次に、現在入手できる外国産の蒸留水器には、機能性・安全性の面から鑑みて構造的に幾つかの問題点があり、その改善が望まれます。
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